消費者・企業のポイントカードへの評価
ポイントカードは、「ポイント」というプラスアルファのインセンティブと引き換えに、顧客情報の獲得と、固定客の確保をし、売上増を図ることを目的とします。小売・サービス業のみならず多くの業種で導入されており、消費者の生活に密着したダイレクトマーケティング手法のひとつといえるでしょう。
ポイントカードに大きな効果があることは、現在、ポイントカードを発行している企業の多さからも実証されています。他社対策として止むを得ず行っている企業があるとしても、もしポイントカードに効果がそれほどないとしたら、これだけ多くの企業が継続して施策を打ち続けることはあり得ません。
ポイントカードの効果はデータでも実証済
ポイントカードの効果は、矢野経済研究所が行ったアンケート調査にも表れています。調査結果によると、消費者のポイントカード平均保有枚数は1人当たり約10枚。そして、ポイントが貯まることを意識して買い物をする人の割合は、約85%にも達しているとのことです。
また、ポイントカードを発行している企業側も、顧客の囲い込みに有効と考えている企業の割合が98%、売上増の効果があると考えている企業が76%、そして今後もポイントサービスの展開を継続していくと答えている企業が98%だったとの結果が出ています。
ポイントカードを導入する際の注意点
上記のように、ポイントカードに対する評価は消費者・企業ともに高く、その効果も双方が認めている状態です。一方で、あまりにも普及しているために、企業にとっては差別化が難しくなってきています。戦略なきポイントカードの発行は、大きな効果を上げることはできないでしょう。
消費者側は少なからずポイントの存在を意識するとはいえ、多くの店舗でポイントが付与されることもあり、それが直接購買につながるかどうかは、企業の戦略次第です。実際に、ポイントで購買行動を変える消費者の割合は、ポイントが貯まることを意識する消費者の割合からは当然下がります。
ポイントカードをより効果的に活用するには
ポイントカードは広く普及しており、より「あって当たり前」のものになりつつあります。ただ、裏を返せば、顧客にとって有益な要素をブラッシュアップしていかなければ、その価値が薄れてしまうことにもなりかねません。
また、企業側にとっても、せっかくポイントカードによって入手した顧客情報を上手に活用する手段がなければ、次の戦略へつなげていくことができないでしょう。
特に、他社対策から、必要性にせまられてポイントカードを発行している場合、発行すること自体が目的になってしまっているケースが見受けられます。
ポイントカードの効果を最大限引き出すためには、ただ発行してなんとなく運用するだけでは不十分です。ポイントカードの目的やメリットを正しく認識し、自社にとって適切な戦略を練ることが大切だといえるでしょう。