わかる? ダイレクトマーケティングの用語
ダイレクトマーケティングの誕生以来使用されてきた用語は、現在のマーケティングにおいても頻繁に使われています。しかし、マーケティング担当者のなかには、こうした用語を実はあいまいな理解のまま使ってしまっているという方もいるかもしれません。
ベテランになればなるほど、「よく耳にするし、使ってもいるけれど、正しい意味なんて恥ずかしくて今さら聞けない」なんて感じてしまうもの。そんな方は、これからご紹介する解説できちんと覚えておきましょう。
よく使う用語は押さえておこう
ダイレクトマーケティングに関する用語のうち、現在でも使用されているものとしては以下が代表的です。
・顧客、見込客、潜在顧客
マーケティングにおける、企業側から見たユーザーのポジションを指すものであり、それぞれ以下を意味します。
顧客:すでに自社の商品を買っているユーザー
見込客:自社の商品に対してニーズを持ち、購買の可能性が高いユーザー
潜在顧客:まだニーズが顕在化していないが、マーケティングによって商品を知ることで、見込客となる可能性のあるユーザー
・オファー
見込客の「獲得」を主体的に達成するための、方法・施策の一つです。例としては、DM(ダイレクトメール)に記載される、「このハガキを持ってご来店いただいた方は、特別に○○%引き!」のような提示が挙げられます。
・レスポンス
ダイレクトマーケティングにおけるレスポンスとは、「ダイレクトレスポンスマーケティング」から来ているもの。これは、情報の受け手に、「返事」(レスポンス)を促すための施策を示すもので、古くはDMや実店舗におけるオファーを主流としていました。現在は、O2O(Online to Offline:ネットなどのオンラインからオフラインの実地への誘導を行う施策)の概念を取り入れたメールリストや、ウェブクーポンの発券など、レスポンスのために行う施策は多岐にわたっています。
・AISAS
消費者の購買行動を説明する単語。それぞれ、行動を表す英単語の頭文字を取ったもので、左から順に、Attention「注意を換気される」→Interest「興味を持ち」→Search「(インターネットで)検索して」→Action「購買する」→Share「商品についての情報を共有する」、という段階を経るものです。
・インバウンド/アウトバウンド
こちらは、今やかなり一般的な言葉です。マーケティングにおいて、企業がどのようなプロセスで消費者の購買を誘導するかを示すものです。両者は、企業側の目線から、「受け付けるか」「売り込むか」という違いがあります。
インバウンド:企業が継続的に発信する情報などによる、見込客からの問い合わせを受けること
アウトバウンド:企業が特定の見込み客層に対して、具体的な方法でアプローチを行うこと
・CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
情報システムを利用した顧客のデータ管理を行うことで、満足度を向上させる取り組みのことです。インターネットを利用することで、地方ごとの顧客データを集計できるため、非常に広範囲、多量のデータベース構築が可能になることが特徴で、現在のマーケティングでは重要視されています。
・CPR
「Cost Per Response」の頭文字をとったもので、見込客が問い合わせや、資料請求などのレスポンスを起こすまでにかかった、マーケティング費用を指します。CPRの金額が低いほど、効果的な宣伝方法であるという考え方が基本になります。
・LTV
ライフタイムバリューの略であり、日本語で「顧客生涯価値」を表す言葉。企業が1人(1社)の顧客と取引を開始してから、それが終わるまでにもたらされる利益・成果のことです。効率的な経営のためには、既存の顧客との関係性を良好なものとし、LTVを高い水準に保つことが大切だと言われています。算出方法としては、「年間取引額×収益率×継続年数」という式で計算されるのが一般的です。
・テストマーケティング
期間や地域を限定して、仮説に基づいた可能性を検証することを指します。企業が何かしらのマーケティング施策をテストなしに打つのは、高いリスクが伴う行為です。小額の費用で顧客の反応を確認し、本番のマーケティングに活かします。ダイレクトマーケティングだけでなく、さまざまなマーケティング手法において使われる用語です。
用語を覚えれば理解も深まるハズ!
いかがでしたでしょうか? 「これって、ダイレクトマーケティングからきた言葉だったのか」と驚いた方もいるかもしれません。ダイレクトマーケティングから生まれた言葉は、現在マーケティングの現場での日常的な用語として根付いているのです。マーケティング担当者なら、必ず押さえておきたいものばかりですので、ぜひ覚えておいてください。